矯正治療について

実際の治療例

実際の治療例をいくつかご紹介します。代表的な歯列不正として、叢生上顎前突反対咬合開咬過蓋咬合を示します。実際には、これらの症状が重複して発現し、より複雑な症状を呈することもあります。

#

開咬

開咬とは、奥歯が噛み合っても前歯などが噛み合わない状態をさします。
咀嚼能率は低下し、顎関節の過重負担から、アゴの不調を訴えたり、発音の不正も伴います。
開咬の原因は、舌癖、口唇閉鎖不全、鼻気道障害、骨格性など多様ですが、物を飲み込む時や発音時の舌突出癖は、その代表格です。
当クリニックでは、舌癖の改善指導を行い、必要に応じて、筋電計によるバイオフィードバック療法を行います。
ご自身の舌行動をコンピュータ画面上で確認しながらトレーニングします。

開咬の発現には、様々の原因が関係するので、その原因を見極め、機能訓練などを行いながら、安定した結果を得る必要があります。

#

  1. 主訴/物が噛みにくい
  2. 診断名/叢生と開咬を伴うClass I不正咬合
  3. 初診時年齢/12歳
  4. 主な治療装置/マルチブラケット装置
  5. 非抜歯
  6. 治療期間/2年2か月
  7. 治療費/矯正治療基本料:78万円 調整料 3,000~5,000円×26回
  8. リスク・副作用/マルチブラケット装置による治療は、口腔を清潔に保たないと、虫歯や歯肉炎などになるリスクがあり、口腔内の刷掃や治療協力が必要です。開咬の発現要因の一つである舌癖、口唇閉鎖不全、口腔周囲筋の訓練、呼吸と嚥下など機能的問題の改善と並行して、歯の移動を行います。顎間ゴムの使用も求められます。それらへの理解と協力が得られないと、開咬の治療は、長びく上、成功しないといっても過言ではありません。開咬は、後戻りしやすいので保定管理が、とくに重要です。また、骨癒着歯が、開咬の発現に関わることもあります。

過蓋咬合

噛むと前歯が深く噛み込んで下の前歯が見えない状態をさします。
アゴの運動が制限され、顎関節の不調をきたすことが多く、また[深噛み]のために、前歯でものを噛むと口蓋粘膜が傷つくことがあります。

#

  1. 主訴/噛み合わせが深い、笑うと歯肉が見えすぎる
  2. 診断名/過蓋咬合を伴うClass II Div.2不正咬合
  3. 初診時年齢/13歳6か月
  4. 主な治療装置/マルチブラケット装置
  5. 非抜歯
  6. 治療期間/2年2か月
  7. 治療費/矯正治療基本料:78万円 調整料 3,000~5,000円×26回
  8. リスク・副作用/マルチブラケット装置による治療は、口腔を清潔に保たないと、虫歯や歯肉炎などになるリスクがあり、口腔内の刷掃や治療協力が必要です。この症例では、上下顎の前後関係を治療するための顎間ゴムの使用が求められます。上顎前歯の圧下により、ガミースマイルの改善も並行しますが、鼻腔底の位置によっては、上顎前歯の圧下ができないことがあります。治療後の保定も後戻り防止のために必要です。

ページ上部へ